相良中学校区は、静岡県の中南部、駿河湾の西岸に位置し、北西部と南東部には牧之原台地が広がり、その中央部を萩間川が流れ駿河湾に注いでいる。
　ここは歴史の古い地区で、「相良（さがら）」の地名は、奈良時代の史料にも見られる。江戸時代に入り田沼意次が相良藩主となると大規模な築城が行われ、地域は著しく発展した。各地から相良港へ回船が往復し、遠州地方の経済文化の中心地として繁栄した。明治以後も、石油・石灰などの鉱物資源や茶の産地として発展を遂げてきたが、戦後は産業構造の変化に伴い、産業も大きく変化している。
　現在は、国道150号線や東名高速道路（牧之原インターチェンジ）に加え、富士山静岡空港及び御前崎港関連道路の整備等により、従来中心であった農漁業だけでなく、製造業や商業等も発展している。また、遠浅で美しい砂浜や伝統文化を活用した各種イベントの開催により、訪れる観光客も年々増加している。
　平成17年10月11日、平成の大合併に伴い、相良町は隣接する榛原町と合併し、現在の牧之原市となり、それと同時に校名も「牧之原市立相良中学校」となった。そうした中でも、旧相良町の良さを生かしつつ、活気あふれる街づくりに邁進している。

　本校は旧相良町の中心部にあり、地域の行政、県立相良高等学校や市立相良小学校に隣接した文教地区の一角に位置している。生徒の家庭は旧世代から続いている家と、新しく転入してきた家があり、保護者の学校及び生徒に対する考え方は多様化してきている。また、地域の方々は、学校教育に対して理解してくれていると同時に、協力をおしまず行ってくれる。
　本校は、昭和49年、菅山中学校、萩間中学校と統合し、相良中学校としての歩みをスタートさせた。昭和50年に新校舎（現在の校舎）が完成、その後サブグラウンドやＬＬ教室の整備が行われ、昭和59年には、新体育館の完成に至る。さらに現在に至るまで、空調整備や各教室のＬＥＤ化等、様々な施設の改修が行われてきた。生徒会活動では、ＪＲＣ（青少年赤十字活動）を取り入れ、福祉活動の実践に力を入れている。老人や身体障害者を学校行事に招待したり、諸施設でボランテイア活動をしたりするなど、福祉教育を通して生徒の伸長を図っている。
　学校教育目標「感動を創り　夢を拓く相中生」、重点目標「自ら鍛え　共に高め合おう」のもと、生徒は「自分たちの手で自分たちの学校を創ろう」を合い言葉に、各種行事及び学校生活全般において、自ら行動し、教師はそれを支え励ますスタンスで日々様々な活動に取り組んでいる。
　本校では、これまでの長い歴史の中で、３つの誇り「さわやかな挨拶」「黙動清掃」「感動する歌声」を受け継いできた。その世代ごとに、生徒が学級活動・生徒会活動・学校行事等、様々な活動を展開する中で、真の誇りと呼ぶことができるようにしようと努力してきた。特に「黙動清掃」は、清掃時間になると校内にまるで人がいないかのような静けさになり、一心に床を磨く生徒の姿が見られるなど、真の誇りと呼べるものの一つとなっている。現在は、これら３つの誇りに加え、「授業を４つ目の誇りにしたい」という生徒の声から、「つながる授業」を加え、日々の教育活動を展開している。この４つの誇りを真の誇りとするため、生徒会役員を中心に、自分たちの手で、自分たちの学校を創ろうと、強い意識を持ち、活発な議論を交わしながら生き生きと学校生活を送っている。